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ホワイトニングWHITENING

歯科ホワイトニングとセルフ(市販品)の違い

ホワイトニングのメカニズムを比較

エステサロンが歯のホワイトニング専門のチェーン店を展開する等、歯のホワイトニングが急速に浸透してきているようです。
そのこと自体は嬉しい限りですが、一方で、様々な種類のホワイトニングが宣伝合戦を行っていて、消費者にとっては比較が難しくなって来ています。
中には、歯科医師として安全性に疑問を持つものもありますので、ホワイトニング専門医としての目線で比較検討してみました。

セルフホワイトニングや市販品は表面のクリーニングのみです。
歯自体を白くできるのは歯科ホワイトニングだけです。

歯のホワイトニングという言葉は2つの意味で使われています。

  • 1

    表面清掃(クリーニング)

    ・市販品
    (亜鉛素酸、亜塩素酸、ポリリン酸、メタリン酸、スイカズラ液…)

    ・サロンでのセルフホワイトニング
    (二酸化チタン・重曹等を歯に塗り、ライトをあてる)

    ・歯科でのクリーニング

  • 2

    内部漂白(ブリーチング)

    ・歯科でのホワイトニング(過酸化水素)
    医薬品の過酸化水素は歯科医師の診断が必要です。

過酸化水素以外の薬品には、歯自体を白くする効果はなく、エナメル質表面の汚れ取りでしかありません。

汚れが取れたらそれ以上に白くなりません。
セルフホワイトニングやサロンでは、ポリリン酸単体を用いてのホワイトニングが行われているようですが、これも同様です。

歯科ホワイトニングとセルフホワイトニング・市販品の違い

セルフホワイトニング・通販・市販品では、繰り返し行っても経年変化した色以上に白くなりません。

着色のイメージ

① 生まれつきの色
② 年月を経て着色した色
③ 表面の汚れの色
④ ブリーチングした色

①は真っ白ではありません。濃い色の方もいます。
③を放置することで②の着色が進んでいきます。

③のみを取る…表面清掃(クリーニング)
③②①を取る…内部清掃(ブリーチング)

歯科ホワイトニング

過酸化水素+プラチナ+ポリリン酸ホワイトニング

メリット 痛みが非常に少ない・後戻りしずらい・歯自体の色を白くできる(ブリーチング)
デメリット なし

過酸化水素に連鎖分割ポリリン酸を配合した薬液を使用します。ポリリン酸単体ではブリーチング効果はなく、歯の表面についた着色汚れ(ステイン)を除去します。
ポリリン酸のコーティング効果によって痛みが出ずらいので、知覚過敏がひどい方にも有効です。
再着色もしずらいので、ホワイトニング中も食事制限(濃い色の食べ物の制限)をしたくない方もお勧めです。

ポリリン酸+過酸化水素ホワイトニングのメカニズムイメージ

  • 歯には元々無数の小さな穴が開いています。

  • 12~24時間後には、唾液の働きで穴は完全に修復されます。
    最近の研究結果では、歯の硬組織に影響を与えることなく、有機質(色素・菌)を除去することがわかっています。

ポリリン酸がエナメル質のコーティングするので脱水によって穴が増えても、知覚過敏や再着色の心配がありません。
プラチナ粉末による触媒反応で、過酸化水素の脱色作用がぐんぐん進みます。

エステなどのホワイトニング

エステによるセルフホワイトニング

メリット 低価格??
デメリット 歯は白くならない(表面クリーニング) 場合によっては危険

医薬品の過酸化水素は歯科医師の診断が必要なので、セルフホワイトニングは、医薬部外品の二酸化チタン・重曹などを使用しています。
歯自体を白くする効果はなく、表面の汚れ取りでしかありません。汚れが取れたらそれ以上に白くなりません。
1回あたりの費用は安いですが、何回も通えば白くなるかのような勧誘を受け、結局高くついてしまう場合もあるそうですので、効果を理解して上手にご利用ください。

市販のホワイトニング剤

市販のホワイトニング剤

メリット 手軽
デメリット 歯は白くならない(表面クリーニング)

亜鉛素酸、亜塩素酸、ポリリン酸、メタリン酸、スイカズラ液など様々な成分が記載されていますが、、全ては表面の汚れ取りです。
たばこのヤニや茶渋等で、お悩みの方に有効です。また、歯科でのホワイトニング後に白い歯を維持するために、定期的に使用するのも良いでしょう。
過度の使用によって、歯のエナメル質が変質してボロボロになってしまった方が来院されたこともございます。用法容量を守ってご使用されてください。

賢いホワイトニングの選び方

安全な方法か?
自分はどの程度白くなりたいのか?
痛みは出るか?出たときの対処がきちんとされているか?
目標の白さになるまでかかる期間と費用はどのくらいか?
メンテナンス(白い歯を維持すること)はどのように行うか?費用は?

以上の項目をしっかりと確認したうえで、ホワイトニングを行うことをお勧めします。
ただし、実際にホワイトニングを行う場合、歯の色や質は人それぞれ異なるので、全ての人に画一的なやり方はあり得ないのです。
個人差を加味し、ホワイトニングの照射時間やホワイトニングジェルの濃度、ホームホワイトニングとの組み合わせ等…、最も効果的な方法を予測しなければなりません。

つまり、信頼できる本当のホワイトニングとは、

ホワイトニングの経験が豊富な歯科医院で施術を受けることです。

そのほうが安全に受けられ、自分の歯に合ったやり方を組めるので、

下手に安い医薬部外品のホワイトニングに手を出すよりも、結局費用対効果も安くつくのです。